令和7年度第40回海洋化学学術賞

令和7年度第40回海洋化学学術賞は,令和7年4月26日(土)京都大学楽友会館にて,下島公紀氏に授与されました.

下島公紀氏


所属・職:東京海洋大学学術研究院・特任教授

略歴:
1983年3月 東海大学海洋学部海洋科学科卒業
1989年3月 広島大学大学院生物圏科学研究科博士課程後期修了(学術博士)
1989年4月 日本学術振興会特別研究員(東京大学海洋研究所)
1990年8月 (財)電力中央研究所 我孫子研究所研究員
2006年7月 (財)電力中央研究所 環境科学研究所上席研究員
2011年6月 九州大学 世界トップレベル研究拠点 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所CO2貯留研究部門准教授
2016年4月 東京海洋大学大学改革準備室教授
2017年4月 東京海洋大学海洋資源エネルギー学部門教授
2025年4月 東京海洋大学学術研究院特任教授,現在に至る

受賞題目:現場型化学センサの開発と海洋研究への適用

推薦理由:
下島公紀氏は現場型海洋化学調査研究の発展に大きく寄与してきた.特に以下の三点において顕著な成果を挙げた.(1)現場型化学センサの開発.pHセンサ,pCO2センサ,ガンマ線センサを開発し,移動する海洋観測プラットフォームや長期モニタリング係留系へ搭載した.(2)地球環境研究への適用.海底下CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)における漏洩CO2の検知・モニタリングおよび沿岸域や外洋域における長期連続モニタリングにpH/pCO2センサを適用した.(3)ナチュラルアナログによる海洋中CO2挙動研究.海底熱水活動によって海水中に放出されるCO2の挙動に注目し,沖縄海域,マリアナ海域,鹿児島湾,橘湾などで観測を行った.これらの業績は論文のみならず,多数の特許として結実している.よって,下島氏の優れた業績や活動は海洋化学学術賞(石橋賞)にふさわしい.